昭和のくらしESD手づくり国語・文化教科書

昭和のくらしESD

手づくり国語・文化教科書

教科との関連性

【小学校】国語・社会・生活科・外国語(英語等)・音楽・図画工作・家庭科
【中学校】国語・社会・外国語(英語等)・音楽・美術・家庭科

ESD要素

多様
相互
有限
公平
連携
責任
建設
代替
整合
情緒
伝統
革新
普遍
拮抗

先頭の6要素は、環境省・文部科学省が例示する主要要素例、以下の8要素は、銀鮒の里学校が提唱する追加要素です。マークがない要素も、その要素が全くないというわけではありません。

ESD要素の詳細解析
    
ESD要素 特  徴
多様性 文章や旋律、画像、映像などの情報資源を活用して、多様な表現ができることを学びます。また、そのような表現が主体的にできる技能を修得します。
相互性 あらゆることがらは、相互に関連しあっていることを学び、そのような相互関係を見出す技能を修得します。
有限性 限られた表現で、あらゆることが伝わることを学び、また、限られた表現でできるだけ多くのことを伝えることのできる技能を修得します。
公平性 世の中や自然界におけるあらゆることがらに公平性を見出し、公平であることが持続可能性と密接に関係していることを修得します。
連携性 複数事象間の前後関係やつながり(関連性)を見出し、それらが意味すること(真意)を理解し、深く洞察する能力を養います。
責任性 情報で意思疎通することは、責任を伴うことであるということを身につけます。
建設性 文章や画像・映像、音声などの情報を駆使し、能動的に情報を創出し、発信する能力を養います。
代替性 マスメディアなどに代わる、市民にとってほんとうに有益な情報のありかたについて考え、それに関して実践する能力を養います。
整合性 日常的に論理的思考をする習慣を身に付け、論理的な情報の解釈や構築ができる能力を養います。
情緒性 情報を通じて、その中に込められたこころ(情緒)の理解が自然にできる感性を養います。
伝統性 日本人が日々のくらしのなかで大切にしてきた歳事や季節感、和のこころを、身近にできる実践を通じて理解し、また、これを反復します。
革新性 新しい知見や科学技術、社会動向などがもたらす積極的な価値観変革について理解するとともに、常に柔軟な思考が新しい市民的豊かさを創出することの意味を理解します。
普遍性 あらゆる事象間には、一定の法則性があるということを理解し、また、そのことを主体的に見出す能力を養います。
拮抗性 巷にあふれる情報などを積極懐疑的に捉え検証するとともに、市民として真に有益な何らかの対案を創造したり、あるいはそれを模索する能力を養います。

概要

現在、公立の小中学校で使われている検定教科書の内容を市民的・ESD的な視点で検証してみると、それは、学問の本質から逸脱していたり、世界における日本人として大切なことを欠いていたりしています。公立の小中学校が目指している教育は、消極的に協調し、自らの意見を主張しない、いわゆる「無難でおとなしい歯車人間」を量産する教育であるというのが本音です。その一方で、そのことに着目した商業主義的勢力は、この半世紀くらいの間に、圧倒的な経済力で市民の価値観を意のままに変え、日本の文化まで侵略し、気がついてみると、日本の元来の生活文化は、商業主義的勢力にとって都合のように塗り替えられていたのです。そのことは、公教育で用いられている検定教科書も例外ではありません。とくに国語では、和のこころを継承したり、市民社会の創造に資する能力の育成に関する内容がなく、その一方で、無難なおとなしい市民を育てる説明文のような骨抜きの内容になったりしており、その影響が顕著にみられます。特定の出版社が加工食品のように出版する、現代の検定教科書の内容には、商業主義に対する忖度や商業主義的思惑すら含んでいるのです。

そこで、銀鮒の里学校では、銀鮒の里学校の活動でご縁のある方で結集して、銀鮒の里学校の正課カリキュラムで使用する手づくり教科書の制作を呼びかけています。市民社会の創造に資するESD的な考え方が、質の高い文章などの情報を通じて身につく、社会起業家や市民運動家として重要なことを学べる、手づくりのぬくもりが感じられる日本式ホリスティック教育の教科書づくりを目指しています。

関連のある(連携推奨)活動の例

昭和のくらしESDの実践に関して重要なことを学べる教材としての特質もあるため、昭和のくらしESDのすべてに関係があります。

対象

小学校の児童(1年生から6年生までの男女)、中学校の生徒

1クラス人数の目安

2~30人くらいまで

所要時間

80分(銀鮒の里学校での標準授業時間)

ご用意いただくもの

教科書はPDF形式を予定しています。PDFを印刷(オンデマンドプリント)して紙媒体の教科書として使うことも、PCの画面に表示して、電子教科書として活用することもできます。また、教科書の内容に、用意するものが具体的に明記されている場合は、あわせて用意します。

プログラムの流れ

特徴的な内容のひとつである「ミュージカル国語」の唱歌「夏は来ぬ」を例にあげて解説します。

詩をよむ(時間の目安:10分)
歌詞はりっぱな詩歌です。まずは、旋律のない詩歌として読んでみます。この詩のなかに出てくる生物や里の風景を抽出し、情景を思い浮かべます。
旋律を加える(時間の目安:5分)
ハーモニカで模範演奏をします。インストゥルメンタル(旋律のみ)→歌唱入り(または歌唱のみ)→インストゥルメンタル…を反復します・歌唱入りのCDや音声ファイルなどの音源があれば、聴かせてみてもよいでしょう。
感想を語りあい、分かちあう(その1)(時間の目安:15分)
詩と旋律をあわせてきいてみた感想を自由に出してもらいます。そして、その結果を、ファシリテーション・グラフィックなどで、タイプ別に分類・グループ化します。
ハーモニカで演奏してみる(時間の目安:20分)
聴いた旋律を、子どもたちにハーモニカで表現してもらいます。ハーモニカ・リトミックで、聴いた旋律のイメージを演奏として再現するプロセスができない場合は、オクターブの音出しから、できるだけ簡単な唱歌・童謡の演奏で慣れるところから始めます。(詳細は、ハーモニカ・リトミックのプログラムの流れを参照してください。)
感想を語りあい、分かちあう(その2)(時間の目安:20分)
実際にハーモニカを演奏したあとに、感情がどのように変わったかを出しあい、同様にファシリテーショングラフィックなどでまとめて共有します。歌詞に登場する生物などに関係のある唱歌を出しあって、演奏してみたりするのもおもしろいでしょう。
まとめ(時間の目安:10分)
歌詞の間の関係や、歌詞と旋律との関係などをまとめて、唱歌「夏は来ぬ」はどのようなことを伝えたいのか、そのこころの解釈を共有します。
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